小路幸也さんの作品て本当に気持ちのいい作品が多い。『東京バンドワゴン』もそうだが、この本の中の人たちと一緒にいたいと思うし、最後のページまできてしまうと、この先みんなどうなるんだろうと知りたくなる。
起きた出来事に対してどういった心構えだと生きやすいのか、あるいは暮らしやすいのか、そういった人生観のようなものがさり気なく書かれている。
学問とは人倫を学ぶことだそうだが、この作家の物語はまさに人の行う態度を遠回しにそれとなく伝えてくれる。難しい人生の書や哲学書を読まなくても十分だ。
それにしても、彼の作品は癒される。
人間関係で何か立ちいかなくなることがあったら、問題がひどくなる前に一度この本を読んでみるといい。オススメ。