
春風のように軽快な話だった。
友達の少ない私にはとても羨ましい。そういえば、こんな場面でこうやって相手を慮った言動をしてこなかったなぁと思うと、やはりこれまでのすべてが身から出た錆ということで自分を呪いたくなる。
この中に登場する小さな劇団の売れない役者たちはお互いに自分の気持ちを言い合いながらも自分を俯瞰から見つめて自分に少しでも非があれば自ら進んで謝罪する。きっとこの姿勢が大事なんだろうなぁ。私はムキになると自分にも悪いところがあったと気づいても意地を張って自分から謝ることがなかった。自分ばかりがいつも正しい訳じゃない。頭ではわかっているものの意地を張ってしまう。先に謝ったら負けだと思っている節がある。
余計なことをぐだぐだ書いたが、この本は冒頭にも書いた通り軽快だ。
人生を折り返してだいぶ経ってしまったが、拗くれた物言いをしないまっすぐな人間になりたいものだ。