又吉直樹『火花』

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お笑いコンビ・ピースの又吉直樹の小説が「文學界」という雑誌に掲載されたと聞いていたので、遅ればせながらその雑誌を買おうと書店に足を運んだら、すでに本となって堂々と書店の一番いいところにどかんと平積みされていた。

彼の敬愛する太宰の作品のような作品だった。お笑いの世界に飛び込んだ若者と頑なに笑いを極めようとする4つ年上の師匠の物語。

しかし、小説の終わりで一体あの後彼らはどうなるのか心配だ。人の心配をしている余裕はないが、明け方まで酒を飲むという生活って若手の芸人にはほんと必要なのかとも思ったし、ああやってすぐ相手と会う人間関係に面倒臭いと思う一方で羨ましくも感じた。

文藝春秋の4月号に掲載されたこの人の月間日記というコラムで今月又吉が担当で、彼の2月12日のくだりに、さんまが映画化するとき主役をやらせてくれと言ったらしいが、さんま独特の賞賛か何かだろう。まったくさんまの素行とは似ても似つかないタイプの主人公だ。もしかするとさんまは読まずにそういったのかもしれないとさえ思った。

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